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執筆者の写真研究員 ミラ

「今できること」を探し続ける

高橋 美佳子(たかはし みかこ)さん

株式会社フォラックス教育

代表取締役

勤続年数:22年



高橋社長に聞いてみました!

■代表取締役になられた経緯を教えてください

先代の娘でしたから、もし後継者がいなければ自分が継ぐしかないという考えは念頭にありましたが、先代と二人三脚で会社を支えてきた社員がおられたので、次期代表はその方々が継承することがよいと考えておりました。ですが、お願いした皆さんが辞退されたため、私が引き継がざるを得なくなりました。

覚悟はあった一方で不安も大きい中で考えたことは「先代の会社や社員に対する思いや事業に対する情熱や苦労を一番近くで見てきた自負」「先代の教育に対する強い思いを私が受け継いで会社を継続させていきたい」ということでした。そして「私一人だけではなく、会社で働く皆さんと一緒に会社を存続させていこう」そう決意し、代表を継ぐ決意をしました。


■代表に就任される前とされた後で、気持ちや意識にどのような変化がありましたか

社員として勤めていたときは、ただ自分の仕事を精一杯こなすことに集中していれば良かったのですが、代表になると、経営のことはもちろん社員一人の様子や表情いたるまで視野を広げて全体を把握して調整することが必要になりました。年間の売上、利益を社員にどう還元するかを常に考えなければならず、責任の大きさが変化したと思います。また、社員がこの会社で働き続けたいと思えることも大事ですので、毎日一人ひとりの状況を確認し、適切なフォローアップを行うことを意識するようになりました。


■会社経営の中で特に気を付けておられることや日頃から意識されていることを教えてください

3つのことを意識しています。まず1つ目は必要な利益を確保すること。その方法や実行策を一番に考えています。2つ目は、中長期的な視点を持ち、時代の変化を捉えた今後の事業展開を、様々な情報にアンテナを張り巡らせ考え続けています。3つ目に社員が働き続けたくなる会社づくりです。



■女性の活躍推進に積極的に取り組まれている背景を教えてください

わたし自身女性ですから社会への女性の活躍を進めたい思いがあります。社会の流れの中で女性の活躍を推進していることを踏まえ、当社でもその取り組みに参画しています。女性ならでは視点、気づきや丁寧さ、細やかさは働く中で生きる部分です。当社では女性視点で子育てしやすい環境づくりも行い、社員のモチベーションアップも図っています。


■ホームページに記載されている「ICTを通じて教育現場に役立つことを常に模索し提案し続ける」というコーポレートメッセージにはどのような思いが込められていますか

このメッセージには、ユーザーが抱えている問題をつぶさに拾い、それらを迅速に製品に反映させていくという理念が込められています。教育現場を支援する製品開発や販売だけに留まらず、広い視野で会社として教育現場に対してどのような貢献ができるかを常に考え続けていくという決意表明も含んでいます。


■赤い羽根共同募金百貨店プロジェクトへの参画や制服のリユース事業に取り組まれていますが、こうした社会貢献の動きを始めたきっかけを教えてください

会社として「子ども達のために何ができるのか」ということを模索し続けています。制服のリユース事業を始めたきっかけは、日本全体で子どもの貧困が大きな問題として取り上げられたことです。秋田県でも子どもの貧困が潜んでいることをこの時期に初めて知り、会社として何ができるかを考えました。

会社である以上、慈善事業だけでは経営が成り立ちませんから、継続して取り組み続けることができる事業を検討し制服のリユースを開始しました。赤い羽根共同募金百貨店プロジェクトへもこのような想いから参画していますし、会社として出来る範囲では積極的に社会貢献活動を行っています。



■代表取締役を務める中で、感じられる楽しさ、女性だからこの難しさややりがいを教えてください。

日本の社会では、女性が特別視されることはまだまだ多いと感じます。女性であることが仕事の中でハンデとなることもありますが、女性であるからこその強みもあると思います。それは、女性特有の柔軟性やコミュニケーション能力の高さなどで硬い空気感でも柔軟に対応し、場を上手くつくることができる点だと思います。このような女性ならではの強みを活かせたときは、特にやりがいを感じます。

また男女問わずの部分では、サービス提供により、子どもたちの笑顔が見られることや、先生方から「校務が楽になった」と声を頂けることが嬉しいです。

経営者としては、社員が充実した表情で業務に取り組んでいる姿を見たときや「この会社で働いていて良かった」と耳にできると、経営が上手くできていると感じられますからやりがいを感じます。


■近年、女性の経営者は増加傾向にありますが、それを実感されることなどありますか

秋田県の経済団体の集まりなどで女性の代表が同席されるシーンは多々ありますし、やはり同性がいることを心強く嬉しく思います。女性の経営者が増えるほど、女性が働く上でのメリットやデメリットを共有できますし、困難な場面でどう切り抜けたら良いか、同性ならではのアドバイスが互いにできると思います。今後も女性経営者が増えてくれることに期待しています。


■現在就活中あるいはわたしのように就活を控えている学生に対しアドバイスをいただけますか

就職活動で様々な企業を調べると思いますが、どの会社に入社するのかはご縁だと思います。これまで積み重ねや思いが様々な出会いを引き寄せていくと思います。そしてご縁があり入社した後は、仕事への向き合い方や今後の方向性を考え、実行することで、将来の可能性は無限大に広がります。

どの会社に勤めても、人間関係や仕事の内容などに不満を感じることがあるかもしれませんが、その状況の中で大事なのは、若い間にたくさん苦労したり、失敗したりすることだと思います。頑張った経験は必ず将来につながっていきますし、経験を重ねることで見えてくる世界もあると思います。ですから、就職活動を頑張っている人たちには、まずご縁を掴むこと、そしてそのご縁の先で自分を発揮して頑張っていくこと、この二つをアドバイスします。 

若い頃は特にミスを恐れる時期だと思います。日本の社会は『こうあるべき』といった”べき論”が幅を利かせている場合もありますので、その中で恐れず新しいことへ挑戦するのは難しいと感じるかもしれません。しかし、色々なことに挑戦できることが若者の特権であると思いますし、ミスから学びを得ていくことは何より大切なことだと思います。社会の常識などに囚われすぎず、ぜひ失敗を沢山重ねて、逆境をバネに頑張ってほしいと思います。


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取材日:2022.03.07


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